そしてまた一つの恋が幕を閉じる

いったいいつからだったのか分からないが、私は同僚の娘が好きでした。

とても頑張り屋さんで、ゲラでよく笑う明るい、些細な事にもお礼を欠かさない、そして何より自分が大変な時でも周りへの気配りができるとてもいい娘でした。

まぁ「娘」っていうと若い感じですが、自分から見たら9歳下なので「娘」ですけどまぁいい年齢です（笑）。でも年齢より若く感じるので「娘」でも問題ないですね。

一緒に仕事をしている内に気づいたらいつの間にか好きになってた、という奴で特に何か大きなきっかけがあった訳でもないんですが、歳も離れてますし自分は相手から見て恋愛としてのタイプではないだろうなぁ…という事で「なぜまたしてもこんな脈のないところを…」と絶望を感じたりしていたものです。

とは言え恐らく10数年振りにいい歳こいて異性に対して恋心を抱いてしまったことで、なんだかちょっと若返ったような気持にもなりましたし、身近に好きな人が居る生活というのは程よい緊張感もあって、辛いときもありましたが良い刺激でもありました。

前述の通りとても良い娘なので、年下ながら尊敬でき、自分ももっと頑張らないと…と歳を食って凝り固まってしまった意識や価値観を見直させてくれる存在でもありました。これは素直に感謝しかないです。

「もういっそ打ち明けちゃおうかな…」と思う事も多々ありつつ、でも同僚としての関係性がとても良くて心地よかったので、打ち明けてることでそれを失ってしまうのも嫌だなぁ…とチキンな思考のまま悶々としつつも充実した日々を過ごすこと幾年、彼女が別な会社へ移籍することが決まりました。

その事例を聞いたときはまぁ血の気が引いてまるで死刑宣告でも受けたかのようでした（苦笑）。

そして胃がきゅっと誰かに軽く握られてるかのような感じで、食事も摂るは摂るけどあんまり食べれない感じで2週間で2キロ落ちました(*ﾉωﾉ)。

とまぁ、自分の日常から居なくなってしまうと思っただけでこんななら、ダメだと分ってってても打ち明けてスッキリしましょうか、とすぐに決断しました。とは言え、ずっと好きだった女の子に告白する訳ですからやはりそれなりに準備はしないと、という事でまずは美容室予約してサッパリし、やれることは神頼みでも願掛けでも何でもやろう！ってことで恋愛成就に効きそうな場所へお参りに行ったり(*´ω｀*)、身に纏うものもなるべく新調しました。

そして準備も整い、この日当たりチャンスありそうかな…と思っていた日であった今日にまさにチャンス到来。小さい会社なのでまぁ残業で会社で2人なることはよくあったのでそこがチャンスでした。

でもさすがにこの歳でも緊張はしますわな（そもそもそういう場面がこの10年以上もなかったわけですし）。話切り出すのに若干時間を要しましたが何とか話始めるも、彼女が今回の移籍するにあって色々あった話を妙に熱く語り始めて「俺のターンが…」となったりもしましたが、一応自分の気持ちと言いたいことはあんまりかっこよくは出来なかったけど言えました。

何十回何百回と脳内リハーサルはしたけど、口が達者じゃないのでなかなか上手くは行かんものです。

ちなみにその脳内リハーサルで今回は珍しい奴が出てきました。それは強メンタル野郎とでもいえばいいでしょうか？。そいつは「気持ち伝えるだけでいいのかぃ？」「結果なんて気にしねえで気持ちを伝えて、それでどうなりたいのかまで言わなきゃダメやろ」って言うんすよ(´ﾟдﾟ｀)。

確かに、脈ないだろうけど言いたいから言うだけ言っちゃおうなんてダメだな…と脳内に居る沢山の自分がその強メンタル野郎に賛同しまして、どうせ結果はダメだろう…とは思わず、成功をイメージして挑みました。

まぁでも結局ダメだったんですけどね（つД`）。

でもまぁちゃんと言えてよかったし、彼女もこんな茶番じみた告白に嫌そうな顔もせずいつものニコニコ顔でちゃんと付き合ってくれて有難かったし、なんなら秒で「ごめんなさい」だったり最悪めんどくさそうだったり拒絶されるのも覚悟してたんですが、ちょっともじもじしながらうつむき加減で「ありがとうございます、でもごめんなさい」みたいな感じで返してくれてその姿が不覚にもめちゃくちゃ可愛かった(*ﾉωﾉ)。あと年齢差は別にそこまで感じてなかったみたいなのはちょっと嬉しかった。K.Mちゃんほんとうにありがとう。

という事で3年か4年か、はたまたそれ以上だったのか？数年越しの恋は閉幕を迎えました。ぁー悲し。

いつかまたこの投稿見返すことがあったら、その時は懐かしいって思うのか、それともこっ恥ずかしいと思うのかちょっと楽しみである。

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